イオンに行くと店内放送で本日のお買得品で「日配食品コーナー」とか言ってるし、パート募集でも「日配担当」とかあるけど、日配って何?
日配はね、豆腐とか牛乳とか生麺とか、生鮮食品以外で加工された食品だけど、日持ちがそれほどしない食品のことだよ。
イオンの店内放送でたまに「日配食品・日配品」と言っていたり、パートの募集で「日配担当」とかあったりしますが、日配って何?と思いませんか?
日配・日配食品とはどういうもので、どういう仕事をしているのかイオンの元日配主任だった管理人が詳しく説明します。
また日配食品をお得に購入するポイントも合わせて説明します。
日配とは?日配品・日配食品とは?
日配とは、生鮮食品以外のあまり日持ちしない加工食品のことです。具体的には豆腐や納豆、生麺に生タイプの餃子やピザ、牛乳やヨーグルト、乳製品等が日配品・日配食品となります。
日配品・デイリー・デイリー食品・セルフデイリー等、スーパーマーケットによって呼び方は異なることもありますが、意味としては同じです。
元々は「毎日店舗に配送される食品」から日配食品となり、日配品・日配と呼ばれるようになりました。
- メーカーによって製造されている(PB・SBも含めて)
- 冷蔵・冷凍を要している
- あまり日持ちしない
概ね上記の要件に当てはまる食品ですが、スーパーによっては冷蔵・冷凍以外の食品も含まれていたり、日持ちする食品が含まれていることもあります。
スーパーによって構成は若干異なりますが、概ね下記のように分類されています。
- 水物:豆腐・納豆・こんにゃく・油揚げ
- 練物:はんぺん・ちくわ・かまぼこ
- 漬物:梅干し・キムチ
- 生麺:要冷蔵の麺類
- チルド食品:餃子・要冷蔵のピザ
- 牛乳:加工乳・乳飲料
- チルド飲料:パック飲料・要冷蔵飲料(ストロー付きのコーヒー等)
- 乳製品:バター・マーガリン・チーズ
- チルドデザート:プリン・要冷蔵のゼリー・ヨーグルト
- 生菓子:ロールケーキ・まるごとバナナのような要冷蔵のスイーツ
またスーパーによっては下記のものも日配食品に含まれます
- 畜産加工品:ハム・ソーセージ・ベーコン
- 卵:生卵
- パン:食パン・菓子パン・和菓子
- 冷凍食品:冷凍野菜・お弁当冷食・アイスクリーム
- パック入野菜:もやし・カット野菜・野菜の水煮
和日配とは?洋日配とは?
和日配とは、豆腐や納豆、漬物・練物(ちくわやはんぺん)等の昔からの日本で食べられてきたあまり日保ちしない加工食品のことです。
洋日配とは、牛乳は乳製品・パンなどの近代になってから食べられるようになったあまり日保ちしない加工食品のことです。
和日配の読み方は「わにっぱい」、洋日配の読み方は「ようにっぱい」とそのまま読みます。
- 豆腐や納豆、漬物・練物(ちくわやはんぺん)等を和日配
- 牛乳や乳製品、パン等を洋日配
イオンは和日配・洋日配という区分はしていませんが、一部でフロアレイアウトにおいて「和日配」「洋日配」と記載してあることがあります。
またパック入り野菜はイオンでは日配に含まれていません。パック入りの野菜は農産です。
日配の売場とは?
日配の売場は主にスーパーマーケットの主通路の内側に面している冷ケースです。具体的には下記の図の通りです。
- 日配A:豆腐や納豆、こんにゃくや漬物
- 日配B:生麺や練物、餃子
- 日配C:牛乳や乳飲料
- 日配D:チーズ・バター・ヨーグルト・要冷スイーツ
だいたいこんな感じでスーパーの内側の冷蔵ケースに入っている食品が日配・日配食品だな~というのは感じがつかめていただけたと思います。
スーパーマーケットによっては、冷凍食品・アイスクリーム・ハム・ソーセージ・卵・パン・和菓子も日配食品に含まれるのが前述した通りです。
日配の売れ筋商品
日配の売れ筋商品は、全国的にはあまり変化はありませんが、細かい部分で非常に大きな差になっている場合があります。
例えば、和日配であれば、豆腐や納豆で言えば個数はかなり出ますが、豆腐の売れ筋・納豆の売れ筋は、地域で大きく異なります。
例えば秋田県の南側のエリアでは、粒納豆はあまり売れず、ひきわり納豆が売れます。
これは秋田県の南側が「ひきわり納豆発祥の地」として有名であり、昔から納豆と言えばひきわり納豆を食べるエリアだからです。
他にも豆腐は、全国的には絹派が多いですが、木綿の方が売れる地域もあります。
生麺は、地域性が高い商品なので、売れ筋は地域で全く異なります
洋日配でも、北海道であれば牛乳は北海道牛乳の方が安いですが、本州は基本的に北海道牛乳の方が高いため、北海道と本州では牛乳の売れ筋が異なります。
日配食品の仕事は何をするのか?
イオンやマックスバリュ等で「日配担当」という内容でパートを募集していることがありますが、具体的に何をする仕事なんだろう?と思いますよね。
日配食品の仕事は大雑把に言えば下記のことです。
- 品出し:入荷した商品を店頭に並べること
- 発注:商品をメーカー等に発注すること
- 見切り:賞味期限・消費期限が近づいた商品に値引きシールを貼ること
- 売場変更:セールや季節に合わせて商品の並べ方・レイアウトを変更する
社員になると上記に加えて下記の仕事が入ってきます。
- 販売計画書の作成
- レイアウトの作成
- メーカーとの商談(ごく一部)
- パート・新入社員の教育
- 他・様々な業務
一部、パート(イオンの場合はコミュニティ社員と言う)の方も上記の仕事をされていることがあります。
品出し:入荷した商品を店頭に並べること
日配部門に入ったばかりだとまずはこの仕事のみを行うことが多くなっています。
また夜の学生メインのアルバイトだとこれのみを行っている場合もあるかもしれません。
ただし並べ方もあるので(古い商品は左もしくは右に寄せる等)、最初に並べ方を教えてもらって、商品の場所を覚えることから始めていくのが一般的です。
見切り:賞味期限・消費期限が近づいた商品に値引きシールを貼ること
日配食品は、(生鮮食品よりは長いけど)賞味期限が短いため、消費期限・賞味期限が近づいた商品をチェックして、値引きシールを貼る作業を行います。
店出しを覚えたら、次にこの作業を教えてもらって行うことが多いです。
発注:商品をメーカー等に発注すること
店出し・見切りを覚えたら次は発注を行います。
イオンやマックスバリュの場合は、タブレット(iPadのようなもの)端末のような専用の機器を使って発注を行います。
発注と言えば難しそうに思いますし、実際に難しい部分もありますが、今はかなり機械的に簡単に行えます。
ただ日配の発注に関しては食品売場の責任者の客数予想(レジ通過客数の予想)が非常に重要であり、また日配食品部門の責任者(主任・マネージャー・係長など会社によって呼び方が変わる)の適切な指示や発注指数の予想次第です(後述します)。
売場変更:セールや季節に合わせて商品の並べ方・レイアウトを変更する
基本的には日配部門の責任者(もしくは商品部)がレイアウト(商品をどこにどう並べるかの指示書)を受け取り、その通りにレイアウトを変更する仕事があります。
ずっと変わらない商品もあれば毎週やセールの都度だったり季節で変わります。
発注と同時進行で覚えることが多いかもしれません。
日配の発注は簡単
「日配 仕事内容」で検索すると日配の仕事で発注は難しいと書いてあるサイトもあるのですが、そんなに難しい訳ではありません。
発注に使うタブレットの画面には先週の売れ数等のデータが掲載されており、発注しやすくなっています。
また経験を積んだ売場責任者であれば、明確な発注の指示を出してくれます。
まずは食品売場の責任者(課長等)が日々の客数(レジ通過客数)を予想します。
それに合わせてPI値から発注をするというのが基本です。
PI値というのは、レジを通過する客数1000人あたりに付き、何個売れるのか?という値です。
例えば豆腐や牛乳などのメインで販売する商品であれば、レジを通過する人数が1000人なら50個売れるとか100個売れるとか、ある程度決まってきます。
だから食品売場の責任者がレジ通過客数を大きく間違えない限りは、それほど外した発注数にはなりません。
*たまに飲食店のまとめ買いが発生するので、難しくなる場合もあります。
昔、豆腐を品切れさせた時、食品の責任者(課長)に怒られたけど、品切れさせた理由が、課長が客数予想を1000人も間違えていたからで、理不尽過ぎて、切れたことがあったけど、若気の至りだったな~w
また気温や天候によっても販売数は変化するため、これは日配売場の責任者が指数というものを決めていることが多くなっています。
気温がプラス3度なら、通常の1.2倍売れるから発注数は1.2倍にするようにとか、雨なら通常の9割しか売れないから発注数を1割減らすとか、天候・気温によって指数から発注数を決めることになります。
チラシ商品になるとか、特売価格になるとか、その時は経験や勘が必要になることもありますが、新しい店舗で無い限り過去のデータからおおよその指数を出すことは可能です。
チラシにしても3000枚(本当に周辺のみ)を出すのか30000枚(10万人規模の市のレベル)を出すのかによっても異なります。
PI値と指数のデータが確定すれば、発注なんて簡単なものです。それを行うのは食品売場の責任者と日配部門の責任者です。
ただし、発注を長くしていると一番詳しくなるのは発注担当者(パートの方)なので、社員の立場からすると、ある程度は勘や経験でカバーして欲しい部分は出てきます。
ただしこれはイオンのような大手の話で小さな地方のスーパーだとFAX発注だったり、責任者の勘と経験と根性で決めていることもまだまだあります。
売場の人同士で仲は良い?
パートで日配部門で働こうかな?と思う時に一番不安なのが人間関係ではないでしょうか?
日配部門は仲が良いか悪いか、それは店舗次第です。
日配の売場責任者や食品の売場責任者、店舗の責任者(店長)、そして古いパートの方次第なので、一概には言えません。
ただし、日配部門の責任者はイオンの場合は比較的おっとしたした人が多い傾向にありますので、割と気楽に働けます。
日配食品のお得な買物方法
日配食品のお得な買物方法や、知っているとちょっと嬉しい買い方を説明します。
午後の方が新しい食品の場合が多い
スーパーや地域にもよりますが、日配食品は商品が1日に2回入荷するところがあります。
- 朝入荷する商品:前日に作られたもの
- 午後入荷する商品:当日に作られたもの
豆腐や牛乳は毎日作られますが、物流の関係で朝納品するものはどうしても前日に作られたもののことが多くなっています。
午後にも荷物が入荷するスーパーだと当日に作られた豆腐や牛乳が入荷してくることもあるので、午後の方が商品が新しいことがあります。
少しでも新しい商品を購入したい場合は2回入荷しているか確認してください。
左側に古いものを集めることが多い
スーパーによって異なりますが、日付が古い商品を左側に並べることが多いです。
理由はスーパーのレイアウトを見てもらうとわかりますが、多くのスーパーは左回り(反時計回り・農産売場が起点)になっていることが多いです。
そのため目に入ってくるのが左側になるので左側に古い商品を置くことが多くなります。
もちろん右回り(時計回り)のスーパーもあるので逆に右側が古くなっていることがあります。
新しい日付のものを購入したい場合は右側か左側かスーパーの特色を見極めてくださいね。
牛乳や豆腐のメイン商品の日付は2種類までが良いスーパー
日配品は「毎日店舗に配送される食品」から名付けられたと書きましたが、毎日配送される食品がメインです。
つまりよく売れる豆腐や納豆、牛乳は毎日新しくなるのが理想です。
でも豆腐や納豆、牛乳のように毎日大量に売れる商品で消費期限の日付が3種類もあるということは発注が下手な証拠です。
発注が下手=商品コントロールが下手ということで古い商品が増えていく可能性があり、鮮度が悪くなっていく傾向にあります。
豆腐・納豆・牛乳のメイン商材(一番陳列数が多い商品)で日付が3種類以上あるスーパーマーケットは要注意です。
3種類の内、一番古いものには値引きシールが貼ってあれば、まだ古いものを無くしていくという意識が強いので問題ありません。
はみ出し陳列は、心のはみ出し・品質管理が出来てない
豆腐や納豆等、冷蔵食品なのに冷蔵ケースの外にダンボールを積んで陳列しているスーパーをたまに見かけますが、これは本来絶対にしてはいけないことです。
要冷蔵なのに冷蔵ケースに入れてない訳ですから。
安売り感を演出している場合もあるのですが、そういうスーパーは日付管理や温度管理、品質管理をしっかりしていないので、いつか事故(食中毒等)を起こす可能性があります。
すぐに売れるから良いや…という甘い気持ちで商品管理するスーパーはおすすめ出来ません。
値引き時間帯を見極める
値引きシール、嬉しいですよね。
でも日配は生鮮食品・お惣菜と比べると値引きシールを貼る時間帯が異なっていることが多くなっています。
日配食品は毎日入荷するので、入荷して商品を並べた時にすぐに古い日付の商品には値引きシールを貼るスーパーがあります。
午前中だけ入荷の店舗であれば午前中に値引きシールを貼るところもあります。
1日2回入荷する店舗は、午後に本日作られた商品を並べ終えた時点で値引きシールを貼るお店があります。
イオンもかつては新しい商品が入ったらすぐに値引きする店舗が多かったのですが、現在はほとんど見られません。
またお惣菜や魚の値引き時間とズレるのが難点です。
値引き商品を見逃しやすい・上の棚もチェック
日配食品に限りませんが、要冷蔵の棚に並んでいる商品というのは下の段ほど売れ筋で、上の棚ほど売れない商品であったり、売れないけど品揃えとして必要な商品ということが多くなっています。
つまり上の棚の商品はあまり売れないので値引き販売することが多くなります。
売れ筋の商品ばかり目に入って上の段の値引き商品に気付かないということもよくある話です。う上の棚で値引きされているお得な商品は無いか、是非探してください。
なお日配品に限らず、イオンでお得に買物をするための第一歩はイオンカードを持つことです。
まだイオンカードを持っていなければ、この機会に作ってみてはいかがでしょうか?
ただイオンカードは種類が多すぎて、どれを選べば良いかわからないということもあります。その場合は下記記事を参考にしてください。
一番のおすすめは、イオンカードセレクトです。
変化する日配食品への考え方
日配品を買う場合、出来るだけ新しいもの、消費期限の長いものを買うというのが今までの一般的な消費者行動でした。
しかしここ最近は、変化が起きています。
それは、SDGsにおける食品ロスの削減に起因しています。
日付の新しいもの、消費期限の長いものばかりが購入されてしまうと、廃棄しなければいけない食品が出てきます。
だから、SDGs(持続可能な開発目標)のためにも、日付が古いもの、消費期限の短いものを購入することに協力して下さいというPOP(商品説明などの説明書き)を取り付けるスーパーも増えてきました。
それに合わせて、実際にそういう行動をする人も増えてきています。
値引きすれば良い問題
でも、廃棄をしないようにするのなら、古くなった商品・消費期限が短い商品は値引きすれば、安いものが欲しい人には売れるんだから、値引きすべきでは?という人もいます。
確かにそれも一理あります。
ただスーパーマーケットのように薄利多売の商売において、値引きはあまりしたくないものですし、値引きをして利益を圧迫して、利益が出なくなって閉店してしまっては、それこそ、その地域の人には大きなデメリットです。
だから協力出来るのなら、協力してあげても良いのかな?とは思います。
もちろんその前に店側は発注の管理をしっかり行うなどの努力が必要とも考えます。
日配・日配品に関するQ&A
日配や日配食品、日配で働くことで疑問に思うであろうことをQ&A形式で答えていきます。
発注を失敗したらどうなる?
例えば10個で良いものをタブレットへの入力で間違えて1000個と入力して発注してしまうような失敗をしたらどうなるの?と思う方もいるでしょう。
以前は、そういう失敗で大量に商品が入荷して赤字でも特売をしたりして、乗り切るスーパーはよく見受けられました。
最近ならTwitter等のSNSで「拡散希望:発注ミスしたので助けてください」と言って売り切ろうとするところもあるかもしれません。
でも大手のスーパーマーケットなら発注数で異常値が出たらシステムで検知して、商品部から連絡が来るようなシステムが作られているので、それほど大きな発注ミスは起こらないようになっています。
小さな地元のみのスーパーだとまだ間違えて発注してしまっていることはありますが。
なおイオン等のスーパーで発注ミスをしたから、買い取れ!というようなブラックな対応はさせられませんので、安心してください。もちろん今後は気をつけてくださいね、という注意はされます。
スーパーの日配の仕事はキツい?
イオンでいろいろな部門で働いてきた立場からすると日配は比較的楽だと思いました。
もちろん人によって何がキツいか感じるものは異なりますが、
- 水産のように臭くはならない
- 惣菜売場のように灼熱の中、揚げ物はしなくて良い
- 家電のようにハードクレーマーの対応は少ない
ということで管理人は日配は楽に感じました。ただ店出し・品出しが忙しいことも事実で、腰を痛めやすいということはあります。
日配を担当していたのは20代の頃だったけど、腰痛ベルトは手放せなくなっていたよ。
元々スーパーマーケットの食品は腰を痛めやすい仕事が多いですが、日配とグロッサリー(常温販売している加工食品)は腰を痛めやすい仕事の2トップです。
日配で消費期限切れの商品はもらえるの?
個人運営の小さなスーパーならもらえることもありますが、イオンのような大きなスーパーではもらえません。
基本的には廃棄です。ただ話のわかる責任者だと捨てるくらいなら、食べて味を覚えろ!ということで、店内で食べる分には許可を出してくれることも稀にあります。
以上、日配・日配食品についてでした。
コメント