関東・関西の一部と東海地方のディスカウントスーパーマーケット「ザ・ビッグ」を展開するイオンビッグ株式会社と長野県で「ザ・ビッグ」を運営するマックスバリュ長野株式会社が2021年6月1日を持って合併するという発表がありました。
どういった内容で、今後イオングループの食品スーパーはどうなるかの予想をお伝えします。
イオンビッグ株式会社とマックスバリュ長野株式会社が合併について
イオンビッグ株式会社は、愛知・岐阜・三重・静岡・滋賀・奈良・神奈川・栃木・山梨で「ザ・ビッグ」78店舗を展開するイオングループの会社です。
マックスバリュ長野株式会社は、長野県下で「ザ・ビッグ」15店舗を展開するイオングループの会社です。
この2社が合併してマックスバリュ長野株式会社という社名は無くなり、イオンビッグ株式会社が残って合併することになった訳です。これでイオンビッグ株式会社は93店舗の「ザ・ビッグ」を運営することになります。
2021年6月1日から新生「イオンビッグ株式会社」となる訳です。
イオンビッグとマックスバリュ長野は、イオングループのディスカウントストア業態「ザ・ビッグ」を運営しております。
両社は、人口動態による地域の変化、デジタルがもたらすお客さまの生活スタイルの変化や嗜好の多様性、異業種参入による競争環境の激化などにスピーディに対応するために、これまでとは大きく異なる規模での変革の必要性があるとの共通認識に立っております。
本経営統合を通じて、両社が有する経営資源やノウハウの共有化、構造改革につながる積極的な投資とシナジーの創出を行い、お客さまの豊かな暮らしの実現や、最も地域に貢献する企業としての成長を目指してまいります。
リリースPDFより
実際、長野県のザ・ビッグのみがマックスバリュ長野が運営しており、周りの岐阜・愛知・山梨のザ・ビッグはイオンビッグが運営していた訳なので、配送・物流の効率だけを考えても合併は自然の流れのように思います。
本部機能も2つ必要だったものがこれで1つになるため、親会社であるイオンからすればスリム化出来て効率化が行えるため、環境変化にも対応しやすくなります。
実際、イオン内部でもいつ合併するのか?という話は以前からあったようです。
長野独自の会社を残したかったのかも
長野県には信州ジャスコという地場の百貨店を元とする会社がありました。しかし1999年8月21日付けでジャスコ株式会社(当時)に吸収合併され、法人としては消滅しました。
しかし長野県独自にイオンの会社を残したくて今までマックスバリュ長野という会社が残っていたのでは?と言う人もいます。
ひょっとしたら土地などの権利関係で会社を残さざるを得なかった可能性もわずかですがあるのかもしれませんね。それが解決したので合併になったかもしれません。
イオンって実は表に出てこない不思議な会社がいくつかあります。
例えば「イオンリテールストア株式会社」がそうです。ほとんどの人が知らないイオングループの会社です。ダイエーをイオンに吸収合併する際にいろいろな権利関係から経過措置のために作られた会社ですが、素直に合併出来ない何かがあったことは想像出来ますよね。
まだまだ続くイオンの小型スーパーの合併
2020年3月にはマックスバリュ北海道がイオン北海道に吸収合併されました。
2020年9月にはマックスバリュ九州がイオン九州に吸収合併されました。
2021年3月には山陽マルナカ・マルナカがマックスバリュ西日本に吸収合併されました。
一時期、イオンは分社化を推し進めていた時期がありマックスバリュという名称の会社だけで10以上もあった時期もあります。
しかしIT化が進み、ライフスタイルの変化に伴いスリム化が必要になってきて、ここ数年でかなりの数のイオングループの小型スーパーが吸収合併されています。
次回はイオン東北とマックスバリュ南東北の合併か?
現在東北地方でイオングループのスーパーを展開している会社はイオン東北(一部はイオンリテール)とマックスバリュ南東北、そしてイオンスーパーセンターの3社があります。
マックスバリュ南東北は宮城県と福島県の「ザ・ビッグ」を運営していますが、山形県の「ザ・ビッグ」はイオン東北が運営しています。
宮城・福島と山形の距離で別会社が同じ名称のスーパーを展開しているのは効率が悪いと言えるため、おそらくはマックスバリュ南東北はイオン東北に吸収合併されるのではないかと思っています。
東北は人口の流出・減少が著しいため、会社組織をスリム化するために合併が十分にありえることだと思います。
マックスバリュ東海とマックスバリュ北陸の合併もありえる
東海地方・山梨・神奈川県、滋賀県でマックスバリュを運営するマックスバリュ東海とマックスバリュ北陸も吸収合併の噂が時折出ています。
マックスバリュ北陸は13店舗しか無く、1社で本社機能と物流機能を持っているのは効率から考えてもこれから生き残るためには難しいと思うので、こちらの吸収合併も近い将来起きると考えるのが自然に思います。
連邦制イオンの崩壊
元々イオンは連邦制とも言えるグループ体制を行っていました。
ゆるい繋がりでイオングループを形成していた訳です。
1990年代前半まではこれでそれなりに成功を納めていましたが、IT化が進み、買物もネットへと移り、イオンにおいても変化が求められてきました。
しかし長い間、ゆるい連邦制であったイオンだけに急激な変化が難しく、結果イオンはグループとしてのEC化に失敗し続けてきています。
しかし中央(イオン株式会社)の力を強くして、いろいろと集約を行うことが今後は重要であり、イオングループの再編は今後10年間で大きく進むものと想われます。
コメント