イオンが、国内のグループ企業で働く約40万人のパート従業員を対象に、時給を平均7%引き上げることがニュースで報じられました。
今春(2023年春)から順次実施するそうです。
ただ時給を上げたからと言って、いろいろよくなるとは思えないですよね。
イオンの人材確保のため?
今回のイオンのパート従業員の時給引き上げについて下記のように報じられています。
イオンは時給引き上げで人材確保を進め、競争力向上を図る。従業員の収入増加により「地域消費を刺激し、地域経済活性化への一助にしたい」と説明している。
イオンは店舗によってはパート従業員の確保がかなり問題となっています。
そのためにも良い時給を提示して人材を確保したいと思うのは当然でしょう。
ただ問題は扶養控除の上限金額の問題です。
パート従業員は短い時間で済むけど
パートで働く人の多く、特に女性であれば扶養控除の上限金額が決まっています。
103万円の壁と130万円の壁があると言われています。
そのためいくら時給が上がったところで、上限金額が決まっているので、自由に使えるお金は増えていきません。
もちろん今までよりも少ない労働時間で済むので、働くことに関しての負担は減ります。
ただ問題はそこでは無いんです。
何が問題かと言えば、パート従業員の時給を上げれば労働時間が減るので、結果、社員の負担が増えることになります。
僕もイオンの社員時代、11月くらいになると扶養控除の関係で、パート従業員の労働時間を調整することになり、特に忙しい12月なのに、働いてもらうことが出来ないことで、苦労したことがあります。
パート従業員の満足度は今回の施策で上がるかもしれませんが、社員の満足度は逆に下がるのではないかと思う訳です。
元々イオンは店舗や部署によっては、全く人員的に余裕が無いことも多々あります。根性論で片付けられることも数多くありました。
もしイオンの社員の満足度が下がり、社員の離職が進むことになれば本末転倒になるとすら今回の施策には問題があるように感じます。
もちろん労働時間が減るということで人員を増やしてくれれば良いですが、まずそんなことはないでしょう。
社員比率を更に下げるため?
深読みをするとイオンは社員比率を下げるためにパート従業員の時給を上げるのではないか?とすら思う部分もあります。
実際にイオンは、パート従業員の主任・マネージャーを促進しています。
他のスーパーマーケットなら農産売場・水産売場等の売場の責任者である主任・マネージャーは社員が行うのが一般的です。
しかしイオンはパート従業員に売場責任者を出来るだけ行わせるようにしてきています。
社員よりもパート従業員の方が全体的な人件費は安く済むので、経費削減を考えれば、当然と言えば当然ですが。
ただ残った社員の負担が増えることになるので、従業員側からすれば、どうなんだろう?と思う人も少なくないと思います。
以上、イオン、パート時給7%引き上げたというニュースでした。
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