イオンは4月9日、2021〜2025年度中期経営計画を発表しました。
リージョナルシフト・デジタルシフト・アジアシフト・投資シフトという4つのシフトを掲げています。
参考:発表資料(PDF)
4シフトの遷移
イオンは4つのシフトという言い方をここ10年以上、よく使っています。
今回の4つのシフト(リージョナルシフト・デジタルシフト・アジアシフト・投資シフト)は2017年から言われているものです。
リージョナルシフト
地域密着型の経営体制による事業基盤確立に向け、6エリアにおけるGMS・SMの再編完了を目指すとしています。
これについては急速に進んでおり、イオン北海道とマックスバリュ北海道の統合、イオン東北とイオンリテール東北支社の統合、イオン九州とマックスバリュ九州の統合等。
本社組織のスリム化、スケールメリット等による商品原価の低減など一定の効果が得られているように思います。
デジタルシフト
デジタルシフトはもう10年ほどイオンは言っていますが、2020年は新型ウイルスの影響でネットスーパー事業は好調であったものの、それ以外はむしろ退化している状況です。
事あることに英・Ocado社と提携して行うネットスーパーの事例を紹介していますが、最初にかかる巨額の設備投資もリスクです。
また乱立するイオングループ内のECでは、Amazonや楽天はおろか、7&iにすら太刀打ちすることは難しいのが現状です。
店舗のデジタルシフトも上げていますが、期待は出来ないものと思います。
アジアシフト
日本国内だけの展開では先細りが見えているため、アジアにシフトしていくという考え方は当然ですが、問題はどこで行うのか?ということでしょう。
中国での暴動により破壊されたイオンモールの映像は今でも記憶に新しいところです。
投資シフト
いわゆる新店偏重の投資(実店舗の開発)ではなく、IT分野・デジタル分野・物流分野で投資配分を増やしていくというものです。
ただIT分野・デジタル分野に関しては、イオンの仕組みでは投資配分を増やしていくのは難しいと言えます。
イオンのデジタル化はすでに競合他社と10年以上の差をつけられているとも言われており、ここから巻き返すには人材の確保が非常に大切ですが、イオンはデジタル・IT系の人材を使い捨てる風潮があったり、給料体系・人事面で他のデジタル・IT企業とは相容れない仕組みなため、物流以外は失敗するのではないかと思っています。
2012年のイオンスクエアーの大失敗をもう1度振り返ってもらって本当にデジタル化について考えて欲しいと思います。
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