生協は日本全国津々浦々にありますが、実際のところよくわかってないという人も多いのではないでしょうか?
生協とは何か、またスーパーマーケットとしての生協についてわかりやすく説明します。
地域によってはイオン以上の売上高を誇ることもある大きな組織です。
また日本各地に生協のスーパーマーケットはありますが、誰でも利用出来るのか、利用するためには何が必要なのかも説明します。
生協とは?
生協とは、生活協同組合の略称で、一般市民が生活レベルの向上を目的に各種事業を行う協同組合です。略称としてよく使われるCO・OP(コープ)は、「協同組合」を表す「Co-operative(コーペラティブ)」の「Co-op」を日本語読みにしたものです。
と書かれても意味不明ですよね。
もう少しわかりやすく書けば、消費者(一般市民)がお金(出資金)を出し合って、組合員になることで、共同で事業を運営していく組合です。
一人ひとりが出資金を出し合い組合員となり、共同で運営・利用することで、自らの願いを叶えて暮らしを向上させていくことを目的とした組織です。
詳しくは下記サイトの案内をご覧ください。
日本の生協の状況
生協が一般の小売業と異なるのは会社組織ではなく、あくまでも組合であることです。
また小売だけでなく、地域の映画館を存続・運営するための生協だったり、俳優・芸能人のマネジメント業務を行う生協などもあり、多岐にわたっています。
実際に日本において生協として登録されている団体数は1000を超えており、組合員数は約6000万人(重複含む)となっており、2人に1人は何かしらの生協に加入(出資)していることになります。
例えば気づかない内に加入している生協としては、各大学の生協があります。
大学の生協は共同仕入れによる原価の引き下げなどで、お得に商品が買えることで学生に人気のシステムです。
また共済関係の保険に加入している場合もその共済は基本的には生協であり、生協に加入していることになります。
また宅配食品として「パルシステム 」を使っている方も生協に加入していることになります。
生協のスーパーマーケットは誰でも使えるの?
生協が運営するスーパーマーケットは全国津々浦々にありますが、一番気になるのが、生協の組合員でなくても使えるのか?ということではないでしょうか?
結論から言えば、運営している生協によります。
例えば代表的な生協な店舗だと下記のようになっています。
- 東京・埼玉・千葉の「コープみらい」:誰でも利用出来る
- 神奈川・静岡・山梨の「ユーコープ」:誰でも利用出来る
- 東京・神奈川・千葉・埼玉の「生活クラブ デポー」:会員のみ利用出来る
- 北海道の「コープさっぽろ」:誰でも利用出来る
- 全国にある「Aコープ」:誰でも利用出来る
1000以上の生協があるため、全部は把握出来ませんが、感覚的には8割以上の生協の店舗で、誰でも利用出来て買い物が出来ます。
生協の会員(出資者)になるメリット
生協の店舗は誰でも利用出来るのなら、生協の出資者(会員)になる理由は無いように思われますが、メリットはあります。
スーパーマーケットの多くはポイントカードや特定のクレジットカードを使うことで割引になったりお得にポイントが貯まりますよね。
生協も会員になるとポイントが貯まるようになったり、お得な割引クーポンがもらえるようになります。
中には会員のみ5%OFFの日がある生協もあります。
生協の店舗を利用するための出資金は、生協によっても異なりますが、最初に出資する500~1000円くらいのところが多くなっています。
ポイントは200円で1ポイント・1ポイントは1円相当というところが多いので、月間で3万円使えば150ポイント、半年で750ポイントほど貯まるので、仮に出資金が500円なら250ポイントはお得になります。
また出資金は退会時に返金されるので、無駄になりません。
ただし一部の生協(多くは一般利用が出来ない生協の店舗)は毎月利用料として500~1000円がかかるところもあるため、毎月の利用料がかかる生協かどうか、事前に確認することをおすすめします。
生協とイオンの違い・競合状況
生協とイオンは、組織体系がそもそも違いますが、スーパーや食品宅配事業で見た場合の違いについて説明します。
スーパーで見た場合のイオンと生協の違い
スーパーで見た場合のイオンと生協は、誰でも利用出来る生協の店舗であれば、それほど大きな違いはありません。
生協は基本的に食品と日用消耗品をメインとするスーパーが多いので、総合スーパー(GMS)のイオンというよりは、マックスバリュやザ・ビッグ、ピーコックストア等の小型のスーパーマーケットと競合することが多いです。
また生協は地域によって価格が全く違います。
以前ほど地域による価格差はありませんが、昔はイオン(ジャスコ)は高くて使えないから、生協を使うという人もいました。
ただ関東だと生協は高いから、イオンで買うという人もいます。
またイオンと言えばトップバリュというプライベートブランドが多くて、一般的なメーカーの商品(ナショナルブランド)で欲しいものが無い!という声を聞くことがありますが、生協はイオン以上にプライベートブランド比率が高く、一般的な商品(ナショナルブランド)はイオン以上に少ないです。
食品宅配事業で見た時のイオンと生協の違い
イオンはネットスーパーで、欲しい時に都度頼むのが基本です。
生協は毎週特定の曜日に商品を届けてもらう、定期宅配が基本です。
自由度が高いのは、イオンのネットスーパーです。
ただし年配の方を中心に自由度は低くても生協の食品宅配を選ぶ人は多いです。
その理由は非常に簡単で、生協は、電話・FAX・配達時に翌週分の注文が出来るからです。
イオンのネットスーパーもごく一部でFAX注文を受けていますが、基本はパソコンやスマホを使った注文のため、年配の方だと難しくて利用出来ない場合があります。
生協はあくまでも出資者(会員)がルールを決めていくのが基本なので、年配の方が多くて、注文方法がFAXや電話、紙への記入による注文が良い!という声が多い限り、ネットと使わない注文が可能になっていきます。
イオンも一時期は、FAX発注を積極的に受けよう!という動きもあったんですけどね…
なお生協の店舗売上はあまり高い訳でなく、食品宅配事業の方が多いそうです。
また生協の食品宅配のメリットとして、子育て世帯や高齢者世帯の送料の割引・無料化があります。
イオンは基本的に子育て世帯・高齢者世帯の送料の割引・無料化は行っていません。
生協が強い地域もある
売上額として生協が非常に強い地域もあります。
例えば北海道は生協が非常に強い地域です。
2019年までイオン北海道は、10年以上にわたって生協(コープさっぽろ)にずっと売上シェアで圧倒的な差をつけられ、勝てない状況が続いていました。
2019年の売上は下記の通りです。
- イオン北海道:204510百万円
- コープさっぽろ:291703百万円
870億円も売上差があった訳です。
2020年にイオン北海道とマックスバリュ北海道が合併して新生・イオン北海道が出来てようやく生協の売上を超えられるようになりました。
2020年の売上は下記の通りです。
- イオン北海道:338456百万円
- コープさっぽろ:316042百万円
イオン北海道とマックスバリュ北海道が合併してようやく生協を抜いたものの、売上の差は220億円ほどで、7%ほどしか勝てていません。
これだけ生協が強い理由は、生協の店舗が北海道で非常に魅力的だから…ということはなく、理由は食品宅配で圧倒的なシェアを北海道で維持していたからです。
雪が多く冬になると出かけにくい高齢者に圧倒的な指示をコープさっぽろは受けていた訳です。
またイオン北海道よりも宅配エリアが広いことも、大きな北海道では受け入れられていた理由になっているでしょう。
以上、生協についてでした。
コープの宅配なら、まずは加入条件の無いお試しセットから利用されるのがおすすめです。
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